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【現役子育て世代必見】高校生の扶養控除

皆さんこんにちは。税理士法人YFPクレア 営業部の越尾です。

私は会社と家の往復時にSNSを覗くのですが、結構な確率で扶養控除とか年収の壁をご理解されずに発言をされている方が多いのですよ。そういう私も弊社に勤めるまでは知識は皆無だったので、逆に税理士事務所にお勤めでもない方が詳しいのを拝見すると、この世の中には博学な方もいらっしゃるのだなぁと関心します。

今回は高校生を扶養する予定の方も、扶養中の方も必見!いや、全ての「かつて高校生だった人たち」にも見てもらいたいです。解説したいと思います。

扶養控除とは?

扶養控除とは所得控除の一種で、控除対象の扶養親族がいる場合、課税所得から一定金額を差し引くことができる制度です。

もっと分かりやすく説明しましょう。

あなたが生活を支えてあげない生きていけない親族がいる人は、その親族が生きるのに最低限必要な金額は税金免除してあげますよ!という制度です。

独身の方も安心して下さい。たとえ、扶養親族がいない独身者でも、48万円の基礎控除があります。ただし、所得が2400万円超から所得制限があります。

控除対象者は?

  1. 控除を受ける年の12月31日時点の年齢が16歳以上であること
  2. 配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)であること
  3. 納税者と生計を一にしていること
  4. 年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入の場合、年収103万円以下)であること
  5. 青色申告者の事業専従者として給与を受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと

控除対象の勘違いポイント!

  • 0~15歳は扶養控除の対象外です。
    これは児童手当があるからですが、実はコレは闇が深い事情あり
  • 生計を一(いつ)とは、日常の生活に必要なお金を共同で使うことを言います。「共通の財布」とも言います。遠く離れて暮らすような、単身赴任や大学進学のための一人暮らしなどであっても、両者共同の財布を使って生活しているなら生計を一にしていると言えます。
  • 配偶者には【配偶者控除】という別の控除があるため、扶養控除には含まれません。配偶者控除にも所得制限があります。
  • 外国人労働者の場合、海外にいる子供も扶養控除ができます。(子どもの存在が確認出来なくてもできるので、完全に法律の穴)

控除される金額は?

年齢によって控除される金額は異なります。また、所得税と住民税では控除される金額が異なります。

区分対象年齢所得税の控除額住民税の控除額
一般扶養親族16~18歳※38万円→25万円33万円→12万円
特定扶養親族19~22歳63万円45万円
一般扶養親族23~69歳38万円33万円
老人扶養親族70歳~
同居老親等以外の者
48万円38万円
同居老親等親族同居老親等58万円45万円
表1 扶養控除対象年齢と控除額
全てその年の12月31日時点の年齢を指す

高校生の扶養控除が2026年から変更予定

※16~18歳の扶養控除に関しては縮小が予定されています。金額は上記の通り決定済み。理由としては、高校生にも児童手当を月額1万円給付することが決定したからです。

となると、

高校生の母

ってことは、増税されつつ、児童手当もらうってことだよね?

どっちの方がトクだったのかよくわからないなぁ…

というご意見も多いと思います。ではここは公正公平に、計算してみましょう

課税所得所得税
税率
所得税
増税額
住民税
増税額
児童手当は実際
いくら?
195万円以下5%6,50021,000+92,500
330万円以下10%13,00021,000+86,000
695万円以下20%26,00021,000+73,000
900万円以下23%29,90021,000+69,100
1800万円以下33%42,90021,000+56,100
4,000万円以下40%52,00021,000+47,000
4,000万円超45%58,50021,000+40,500
表2
2026年からの高校生の扶養控除の減税された分と児童手当の差額から実質児童手当はいくらか?

よかったー全世帯でプラスでした!あーよかった!でも、12万円がプラスだと思って使っていると、なんでかお金が少ないような…という現象を起こすのでご注意下さい。

高校生の母

あれ?そういえば高校無償化をやるって言うときに、高校生の扶養控除って減らされたような…うち、高校無償化の対象外なのでその分も増税されてるってことですよね?

おお…高校生の母さん…思い出してしまいましたか…
そうなんです。高校無償化をされたタイミング(2011年)に所得税は25万円、住民税は12万円それぞれ控除額が減っています。

2026年のも含めると、所得税の控除額は38万円、住民税は33万円減るってことです!では、それって結局いくらなの?

さぁ計算してみましょう!

課税所得所得税
税率
所得税
増税額
住民税
増税額

増税額
195万円以下5%19,00033,00052,000
330万円以下10%38,00033,00071,000
695万円以下20%76,00033,000109,000
900万円以下23%87,40033,000120,400
1800万円以下33%125,40033,000158,400
4,000万円以下40%152,00033,000185,000
4,000万円超45%171,00033,000204,000
表3 2011年高校無償化+2026年の扶養控除が減って増税した額。子ども一人当たり。
代わりに得られる高校無償化と児童手当は計算に入れていません。

2011年と2026年の扶養控除が減った代わりに、高校無償化と児童手当が増える…ということになりました。が、高校無償化は世帯合算で計算します。両親だけの場合は両親、祖父母も同一生計の場合は祖父母の働いた分も計算に入れます。

一方、扶養控除は世帯主のみに減税効果があります。

高校無償化の所得制限について

高校無償化の支給額は396,000円、118,800円、0円の3段階。
両親の収入の合算で計算します。

ざっくりですが
・片働き子供2名:約640万円前後で396,000円支給、950万円で118,800円支給。それ以上だと無し
・共働き子供2名:約720万円前後で396,000円支給、1070万円で118,800円支給。それ以上だと無し
(子供は高校生2名と仮定)

本当は表に書き加えたいのですが、片働きか共働きか、他の兄弟がいるか?等の条件で高校無償化を受けられるか受けられないかのボーダーが変わってしまうため、書き込めませんでした…本当にややこしい

高校無償化は、国の行っている上記の支給に加えて、都道府県も追加で支給を行っています。東京都では、所得制限なく、一律の支給に変更などの動きもあります。

表3の下に行けば行くほど増税度合いが半端なさ。
そして700万と1,000万円付近で訪れる高校無償化の壁。

また、扶養控除が減ることにより、ボーダー付近の人は収入は変わらないのにもかかわらず所得制限を受ける可能性があります。現在は扶養控除額の変更に伴い、各種所得制限額の変更はまだ確認できていません…まだ可能性の範疇ですが、高校無償化は可処分所得の逆転が起こりやすいのでボーダー付近の方で気になる方はニュース等々をご確認いただくことをおすすめします。

極めつけが「子育て支援金」という名の増税

コレだけでも「え?本当に子育て応援してる???」と言いたくなるような結果ですが、更に2026年からは子育て支援金という名の増税が行われる事になっています。

いかにも子育て世帯にお金をばらまくのか!?という名称をしていますが、子育てどまんなか世帯にも徴収される方向で話はすすんでいます。

最初は毎月500円と言っていたのですが、本当にそうだと思います?案の定の予定がこども家庭庁からでています。

公務員・会社員の場合(カッコ内は年額) (単位:円)

年収2026年度2027年度2028年度
年収200万円200(2,400)250(3,000)350(4,200)
年収400万円400(4,800)550(6,600)650(7,800)
年収600万円600(7,200)800(9,600)1,000(12,000)
年収800万円800(9,600)1,050(12,600)1,350(16,200)
年収1000万円1,000(12,000)1,350(16,200)1,650(19,800)
公務員・会社員の場合(カッコ内は年額) (単位:円)

個人事業主・フリーランス等の場合は別の表です

年収2028年度
年収200万円250(3,000)
年収400万円550(6,600)
年収600万円800(9,600)
年収800万円1,100(13,200)
著者

全然ワンコインじゃねええええよおぉぉぉぉ!!!!

何度も何度も「賃金上がるから、負担は実質ゼロ」と言っていたけど、税理士法人YFPクレアは給料上がっていません。だから私の負担は増えるだけ。

税理士法人YFPクレアは賃金を上げようとしたら、また料金表をその分値上げするほかありません。前回、パートさんの給料を100円上げるときも、値上げ交渉すごく大変でした。ご納得頂けなかったお客様もいらっしゃいました。従業員もすごい葛藤の中で、会社と自己の成長のために交渉し続けた結果が今です。軽々しく「賃金が上がる」とか言われると「は?」と思ってしまうんですよね。現場の事、わかってるの?って言いたくなります。そんな簡単に賃金上がってたら30年も失われてなくない?

共働きの我が家はトータルでみると、高校無償化も受けられないし現段階でもマイナスですが、2028年になったら更に3万円徴収されるのか…と暗い気持ちになります。現在、子どもが頑張ったご褒美にディズニーランドにつれていく約束をしているのですが3万円あったら入場料にできたよね?中でちょこっとならご飯食べれるよね?と思ってしまうのです。我が家にとって3万円は安くないんですよ(嘆)

では実際どうなの?(推定)

あくまでざっくりの計算でしかないので、あしからず!!(間違えてたらごめんなさい)

片働き700万円 子ども一人の世帯

児童手当12万+高校無償化11.88万-増税11万-子育て支援金1.4万円=+11.48万円

共働き550万円+550万円 子ども一人の世帯

児童手当12万円+高校無償化0円-増税10万-子育て支援金1.1万×2=-2,000円

結局、高校無償化が受けられるのか受けられないのかで「働き罰」が発生してしまう結果に。これって本当に子育て支援と言えますか?

今こそ、全体の扶養控除の見直しが必要では?

たまに「今はこんなに支援があっていいわね!」という意見をご年配の方から聞いたりします。私の母からも言われます。パット見そう見えるかも知れませんが、支援のうらには増税があることをご承知下さい。

「孫ちゃんに扶養控除がないなんてありえない!!」と母には3回くらい言われてます。認知症なのか、それともそんなことがあるわけ無いと思い込んでて娘の戯言と信じてもらえないのか…。どちらにしても母の認知が心配です(でも昔からそうだったかも)

また、物価も教育費も上がっています。消費税も上がっています。国民負担率も3割から6割に上がっています。「昔は出来た」の「昔」は人によっていつを指すのか異なりますが、高齢者の数が少なく、今ほど医療費負担が社会全体でも負担ではなかった時代だから出来た…ということを忘れてはなりません。

実際、今の税収は過去最高額なのにもかかわらず、それなのに足りないと言ってるのだから、使い方がどうなってるのか、本当に不思議。

個人的には、今の物価で計算し直した扶養控除だけあれば、普通の家庭の支援は不要では?と思っています。そうしたら独身の人とかにも負担が増えるとかもない。

基礎控除等々の人的控除の見直しだけで。実はこれは「昔の出来た頃に戻す」ということです。これは完全に個人の意見ですが。最低限生きるのに必要な金額には税金を取らない(=これを人的控除と言います)が、実際には取りまくりなのが問題なのかと。「昔」の人的控除が適切だったかは別問題(実際、基礎控除が4800円だったときもあるらしい)。

税金には3原則があって、公平、中立、簡素…の3つですが、どれも出来てなくない?と、いうか、どんどん3原則から離れていってるのでは?と感じております。もう原則に戻ろうよ…税法のどこが簡素だ!!

最後に・・・

このページでは、高校生の扶養控除の変更は実際には【予定】です。金額までは税制改正大綱に記載されているのですが、時期に関してはまだはっきりしていません。

最後に…もし、このページを参考に計算して、高校無償化勝ち取れるはず!と思ってたら計算間違えてて勝ち取れなかった…等のことが起こっても弊社は責任は取りません。税金は条件分岐が非常に多いです。それでいて、差額が庶民には大きいかと思います。なので、市区町村に確認して下さい。

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