「法人申告って何から始めればいいの?」
「税理士に依頼するとどのくらい費用がかかるの?」
法人の決算・申告は、個人の確定申告に比べて複雑で、初めて対応する方にとっては不安が尽きません。
この記事では、法人申告の基本から、申告書作成の流れ、税理士に依頼する場合の費用相場、さらに合同会社や株式会社といった法人形態ごとの注意点までをわかりやすく整理しました。
法人申告とは?基本を押さえよう
法人申告とは、法人が毎年の所得や課税内容をまとめ、法人税・住民税・事業税などを申告・納付する手続きのことです。
対象となるのは株式会社・合同会社・医療法人など、すべての法人。たとえ赤字であっても申告義務はあります。
法人申告の流れ
法人申告は大きく以下の流れで進みます。
- 日々の取引を帳簿に記録
売上・仕入・経費を正しく仕訳し、会計ソフトなどで集計。 - 決算書の作成
損益計算書・貸借対照表をはじめとした決算書を作成。 - 法人税申告書の作成
法人税、地方法人税、住民税、事業税など複数の税務書類を整える。 - 電子申告・納税
e-Taxや地方税ポータル(eLTAX)を利用して申告・納付。
これらをすべて社内で行うのは負担が大きく、多くの法人が税理士にサポートを依頼しています。
法人申告の準備チェックリスト
申告の前に確認しておきたい準備項目
- 帳簿入力が期末まで完了している
- 売上・仕入・経費の領収書や請求書を整理した
- 通帳コピー・クレジットカード明細などを用意した
- 減価償却資産やリース契約の一覧を揃えた
- 役員報酬や株主配当の議事録を準備した
- 税理士への相談・依頼範囲を決めた
- 申告期限(決算日から2か月以内)を確認した
チェックリストを活用することで「準備漏れ」を防ぎ、スムーズに法人申告を進められます。
税理士に依頼する場合の費用相場
法人申告を税理士に依頼する場合、費用は法人の規模や依頼範囲によって変わります。
・小規模法人(年商数千万円未満):10万〜20万円程度
・中規模法人(年商数千万円〜数億円):20万〜50万円程度
・大規模法人:50万円以上も珍しくない
料金が変動する要因
- 仕訳数(取引が多いほど作業量が増える)
- 資料整理の状況(バラバラの資料は追加作業が発生)
- 記帳から依頼するか、決算書作成だけか
法人形態ごとの注意点
法人形態によって、申告の際に注意すべきポイントが異なります。
| 法人形態 | 注意点 |
| 株式会社 | ・株主総会の承認決議が必要(決算承認の議事録が申告時に求められる場合あり) ・役員報酬は事前確定届出が必要で、途中変更は原則不可 |
| 合同会社(LLC) | ・株主総会は不要だが、社員(出資者)の合意が必要 ・手続きは簡素だが、法人税・住民税・事業税の申告義務は株式会社と同じ |
| 医療法人 | ・収益事業と非収益事業を区分して管理・申告する必要がある ・医療法に基づく特有の届出や監督も絡むため注意 |
| NPO法人 | ・収益事業に該当する部分のみ課税対象 ・活動計算書など、通常の法人会計とは異なる書式が必要 |
一般的な株式会社・合同会社は「利益計算+税務申告」の流れが共通ですが、特殊法人は税制の取扱いや必要書類が大きく異なります。
法人申告をスムーズに進めるためのポイント
- 日々の帳簿をこまめに記録する
- 会計ソフトを活用して効率化する
- 早めに税理士へ相談し、申告期限に余裕を持つ
まとめ
法人申告は「決算から2か月以内」という期限があるうえ、法人税・住民税・事業税といった複数の税目に対応する必要があるため、正確な知識と十分な準備が欠かせません。
初めての法人申告であっても、まずは全体の流れを理解しておけば、手続きの全体像を把握しやすくなります。
税理士に依頼する場合の費用は、会社の規模や依頼する業務範囲によって大きく変わる点にも注意が必要です。
加えて、自社の法人形態ごとに申告時の留意点が異なるため、その特徴を理解しておくことが、スムーズかつ正確な申告につながります。
当事務所では、クラウド会計に強い税理士がオンラインで全国対応しています。
「法人申告を丸ごと任せたい」「まずは相談してみたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
