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マイカー通勤手当、給与計算の見直しが必要です
マイカーや自転車で通勤する従業員に支給する通勤手当は、一定額まで所得税が非課税になります。
しかし、令和8年度税制改正により、このマイカー通勤手当の非課税限度額が見直されました。特に、遠距離通勤者への支給や、駐車場代を補助している会社では、給与計算の確認が必要です。
通勤手当は毎月の給与計算でよく出てくる項目ですが、非課税限度額を超えた部分は給与として課税されます。
「いつも通り」で処理していると、源泉所得税の計算誤りにつながる可能性があります。
この記事では、マイカー通勤手当の非課税限度額の改正について、会社が確認すべきポイントを解説します。
このコラムからわかること!
簡単に要約するとこんなことです!
- マイカー通勤者に支給する通勤手当は、一定額まで所得税が非課税になる
- 令和8年4月1日から、非課税限度額が改正されている
- 特に影響があるのは、マイカー・自転車などで通勤している従業員がいる会社
- 給与計算、源泉徴収、就業規則・賃金規程の確認が必要!!
そもそも、通勤手当は「全額非課税」ではない
従業員に支給する通勤手当は、給与計算の中でも比較的よく見かける手当です。
そのため、つい「通勤手当は非課税」とひとまとめに考えてしまいがちですが、税務上は少し注意が必要です。
通勤手当は、一定の非課税限度額までは所得税がかかりません。
しかし、会社が支給した金額のすべてが自動的に非課税になるわけではありません。
マイカーや自転車などで通勤する従業員に通勤手当を支給する場合は、片道の通勤距離に応じて、1か月当たりの非課税限度額が定められています。たとえば、片道2km未満の場合は原則として全額課税、片道2km以上10km未満の場合は月4,200円までが非課税、というように距離ごとに限度額が決まっています。
つまり、会社が「通勤手当」として支給していても、非課税限度額を超えた部分は、給与として課税対象になります。
会社の支給ルールと、税務上の非課税ルールは別物
会社が支給すると決めた金額=全額非課税ではありません。
特に、マイカー通勤者が多い会社、一律の通勤手当を支給している会社、駐車場代を補助している会社、給与ソフトの設定を長年見直していない会社は注意が必要です。
給与計算では、通勤手当を単に「通勤手当」として処理するのではなく、非課税部分と課税部分を分けて処理する必要があります。
少額の誤りでも、毎月・複数人分積み重なると、源泉所得税の計算誤りにつながる可能性があります。
改正のポイント①:片道65km以上の遠距離通勤者の区分が細かくなった
今回の改正で影響が大きいのは、片道65km以上のマイカー通勤者です。
これまで、片道55km以上の非課税限度額は一律で月38,700円でした。
改正後は、片道65km以上について距離区分が細かくなり、距離が長いほど非課税限度額が高くなります。
| 片道の通勤距離 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 55km以上65km未満 | 38,700円 | 38,700円 |
| 65km以上75km未満 | 38,700円 | 45,700円 |
| 75km以上85km未満 | 38,700円 | 52,700円 |
| 85km以上95km未満 | 38,700円 | 59,600円 |
| 95km以上 | 38,700円 | 66,400円 |
【例】片道70km 45,000円/月支給の場合
| 片道70km・月45,000円支給の場合 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 非課税限度額 | 38,700円 | 45,700円 |
| 課税対象額 | 6,300円 | 0円 |
改正のポイント②:一定の駐車場代も月5,000円まで加算できる
今回の改正では、一定の要件を満たす駐車場等を利用している場合、駐車場代相当額を月5,000円まで、通勤距離に応じた非課税限度額に加算できるようになりました。
片道50km 通勤手当32,300円と駐車場代8,000円 支給の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 通勤距離に応じた非課税限度額 | 32,300円 |
| 駐車場代の非課税加算 | 5,000円 |
| 非課税限度額の合計 | 37,300円 |
| 実際の支給額 | 40,300円 |
| 課税対象額 | 3,000円 |
駐車場代を8,000円支給していても、加算できるのは月5,000円までです。
ただし、駐車場代なら何でも加算できるわけではない!
対象となる駐車場等
- 勤務先の周辺にある駐車場
- 通勤のために利用する駅・停留所などの周辺にある駐車場
- マイカーで駅まで行き、そこから電車・バスに乗り換えるための駐車場
- 通勤経路上で、通勤のために必要と認められる駐車場
対象外となる駐車場等
- 自宅の駐車場
- 自宅近くに借りている駐車場
- 通勤とは関係のない私用目的の駐車場
- 休日や私用利用のために借りている駐車場
- 片道2km未満の通勤者が利用する駐車場
ポイントは、その駐車場が「通勤のために必要な駐車場」といえるかどうかです。プライベートで使えるような駐車場には対象外です。
有料道路を利用している場合の取扱い
マイカー通勤で、高速道路などの有料道路を利用している場合は、通常の距離区分だけで非課税限度額を判断しません。
1か月当たり15万円が最高限度額です。国税庁も、有料道路を利用する場合の非課税限度額について、距離区分ごとの金額と合理的な有料道路料金等を合計し、最高限度を月15万円としています。
例:片道70km・高速道路代ありの場合
| 例:片道70km・高速道路代ありの場合 | 金額 |
|---|---|
| 距離に応じた非課税限度額 | 45,700円 |
| 通勤に必要な有料道路代 | 30,000円 |
| 非課税限度額の合計 | 75,700円 |
会社が確認すべき実務対応
今回の改正は、マイカー通勤者がいる会社すべてに大きな影響が出るものではありません。
しかし、次のような会社では、給与計算の設定や社内ルールを確認しておく必要があります。
- マイカー・自転車通勤者がいる
- 片道65km以上の遠距離通勤者がいる
- 従業員に駐車場代を補助している
- 高速道路などの有料道路代を支給している
- 通勤手当を一律金額で支給している
- 給与ソフトの通勤手当設定を長年見直していない
特に、通勤手当は毎月の給与計算で自動処理されていることが多いため、設定が古いままだと、気づかないうちに課税・非課税の処理を誤ってしまう可能性があります。
会社側では、次の点を確認しておきましょう。
まとめ
片道の通勤距離によって、非課税になる金額が変わります。
今回の税制改正では、非課税になる距離が長くなりました。
今一度、ご確認ください!
| 片道の通勤距離 | 1か月当たりの非課税限度額 |
|---|---|
| 2km未満 | 全額課税 |
| 2km以上10km未満 | 4,200円 |
| 10km以上15km未満 | 7,300円 |
| 15km以上25km未満 | 13,500円 |
| 25km以上35km未満 | 19,700円 |
| 35km以上45km未満 | 25,900円 |
| 45km以上55km未満 | 32,300円 |
| 55km以上65km未満 | 38,700円 |
| 65km以上75km未満 | 45,700円 |
| 75km以上85km未満 | 52,700円 |
| 85km以上95km未満 | 59,600円 |
| 95km以上 | 66,400円 |







