事務所の倉庫や車庫にもう使わない固定資産が眠っていませんか?また使うかも?どう廃棄すればいいのか調べてから…と思ったらそのまま放置…となっているものはありませんか?
このページでは、固定資産の除却と廃棄について解説させて頂きます。
目次
固定資産の除却と廃棄
固定資産を取得すると減価償却が始まります。そして、耐用年数が過ぎると減価償却が終わり、資産が残ります。それは現実でも帳簿上でも言えることです。
その資産を使わなくなった時や廃棄するタイミングで会計処理をしないと永遠と帳簿上に資産が残ることになります。
固定資産の除却とは
除却は帳簿上で資産として計上していたものをなくすことです。
固定資産として計上したものを今後一切使用しない場合に帳簿から削除をすることを除却といいます。固定資産は耐用年数が過ぎると減価償却も終わり、資産価値がなくなります。しかし、残存価額と呼ばれる価値は残り税金も発生します。
使わなくなった固定資産を除却することで、残存価額もなくなります。その結果…
- 固定資産除却損を損失計上できる
- 償却資産税を節税できる
この2点から節税をする事ができます。
固定資産の廃棄とは
除却は帳簿上から固定資産を削除することですが、廃棄は現物を物理的に捨ててなくすことを言います。
固定資産除却損について
固定資産除却損は節税になるのか?
固定資産は耐用年数まで使い切れば、残存価額は1円まで償却出来ます。一方で、この固定資産を除却するまでは、ずーっとその固定資産は帳簿上に残ることになります。
1円の固定資産を除却したところで大して節税にはならないのですが、大きな設備で未償却部分の簿価が大きい固定資産を廃棄する場合や有姿除却をする場合は固定資産除却損は大きな影響を与えることになります。
有姿除却とは?
有姿除却とは、もう使わなくなった固定資産を廃棄や解体を行わずに、現状有姿のまま除却することを言います。「もう使わないよ~」とどれほど言っても残ってしまっているわけですから疑いの目を向けられます。税務調査が来る前提で行いましょう。
固定資産除却損を計上する
除却の仕訳方法は下記の通りです。
【例題】機械(購入価格200万円)を購入し、減価償却を120万円したところで除却をします。
直接法
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
固定資産除却損 | 800,000円 | 機械装置 | 800,000円 |
間接法
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却累計額 | 1,200,000円 | 機械装置 | 2,000,000円 |
固定資産除却損 | 800,000円 |
簿価が1円になっている固定資産の場合は固定資産除却損を1円で同様の記入をします。
固定資産除却損という勘定科目には、撤去や廃棄した際にかかった費用も含める事ができます。
売却益がでた場合
固定資産が不要になったので、売却して固定資産除却損を出そうと思ってたら意外にも利益が出た場合はどうなるのでしょうか?
上記の200万円の機械を売却したら100万円だった場合は下記の通りになります。(間接法)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 1,000,000円 | 機械装置 | 2,000,000円 |
減価償却累計額 | 1,200,000円 | 固定資産売却益 | 200,000円 |
廃棄した証拠を残しましょう
固定資産除却損を経費にするためには、廃棄証明書などの客観的な処分したことが証明できる資料を残しましょう。
有姿除却は税務調査が来やすくなります。おすすめしません。
まとめ
不要な固定資産を処分し、帳簿もスッキリさせ、節税しましょう。
除却をして廃棄をすることで、置き場もスッキリすることができます。物が多いと倉庫がいっぱいになってしまって、必要以上に倉庫代がかかったり、整理整頓するための人件費も時間もかかります。もちろん、必要な場合は新しく購入して、新たに減価償却費を計上することが出来ます。
ぜひ、効率的に、効果的に使って頂けたら幸いです!