サラリーマン時代は【領収書じゃないとダメ!】と言われたので、わざわざお願いして領収書をもらっているけど、レジで出てくるレシートじゃダメなの?
正直、レジでもらうレシートのほうが楽でいいんですけど…
はじめて事業を起こされた方と顧問契約をさせていただいたときによく言われるご質問が「領収書とレシートはどうしたらいい?」という相談です。
先に結論を書いてしまうと、私も大手企業にいたときは「手書きの領収書をもらってこい!」と上司から命令されていましたが、税理士法人YFPクレアではレジでもらうレシートをオススメすることが多いです。
ではここからは詳細をお伝えします!
目次
領収書とは?
領収書とは、取引をしたことを証明する書類です。英語でいうと”receipt”で、カタカナにすると「レシート」…つまりレシートは領収書という意味です。
つまり、両方とも「領収書」という意味です。
ですが、レシートにしても領収書にしても、「必要情報が記載されていること」が重要です。
領収書・レシートに記載されてないとダメなもの
- 取引日
- 宛名
- 金額
- 但し書き(何を買ったのかor何のために買ったのか)
- 金額の内訳(税率ごとに区分した取引合計金額)
- 発行者名
税抜き価格が5万円以上の売上代金になる領収書を発行する場合、領収書には売上代金に応じた収入印紙の貼付が必要です。
【インボイス対応】
さらに、インボイスとして発行する場合は下記も必要です
- 適用税率
- 区分ごとに記載した消費税額等
- 発行者の登録番号
レシートには宛名がないけどいいのか!?
上記の「領収書・レシートに記載されてないとダメなもの」を見て
「え!?レシートは宛名無いじゃん!」と思われると思います。
ですが、レシートは宛名は下記の業種ならなくても大丈夫!
- 小売業
- 旅客運送業
- 旅行業
- 飲食業
- 駐車場業
コンビニやスーパーでの買い出しや、取引先との会食、タクシー代など日常的な取引はレシートで十分です。
一方で、工事とか機械とかは領収書になるかと思います。
証憑にするならレシートの方がオススメ!(ただし条件あり)
先に述べた通り、領収書とレシート、どちらかをもらうなら、レシートの方がオススメです。その理由としてはこんなことが挙げられます。
- 改ざんがしにくいから信憑性◎
- 何を買ったのかわかりやすさ◎
- 税務調査でも無駄に時間がかからない◎
これらのポイントから弊社はレシートの方をオススメしております。理由と注意点もちゃんとあります。
証憑にできるレシートはちゃんと必要項目が記載されてないとダメ!
超重要なポイントですが、「領収書・レシートに記載されていないとダメなもの」のリストのうち、宛名以外は記載されてないと証憑として使えません。
たとえば、昔の駄菓子屋さんでもらったような、お店の名前も記載されてない、金額と日付だけ青い文字でうっすら書かれたようなレシートではダメということです。
そのレシートを渡された場合は領収書を作ってもらいましょう。
3年前のお買い物の中身、覚えていますか?
税務調査がきた場合、「この領収書は何を購入したものですか?」と質問が来たとします。答えられますか?
おや?3年前のこの領収書、□□ストア?但書はお品代ですか・・・これ、自分の生活のための物ではありませんか?
何を買ったのですか?
おーっと!但し書きの内容が不明瞭で、領収書が生活費では?と疑われています!しかも3年も前のものです。
領収書だと、日付、金額、お店の名前と「但し●●代として領収いたしました」と書かれているのでそれらから思い出して「これです!」と答えないといけません。
一方で、レシートだと、そんな必要もなく「エプロン?今つけているやつですか?それは経費ですね」とあっさりしたものになります。
経理担当もわかりやすい
営業の人から領収書渡されたけど、「お品代」って何?
何目的のものかわからなくて本当に困る!
私も営業出身で、「お品代」と書かれて怒られてたタイプの人間です(笑)
税務調査に行く前に、経理担当者もわからないような領収書では仕訳もできずに本当に困ってしまいます。経理担当者は困り果ててしまいます。
但し書きには分かりやすさが必要です。ここで例を見てみましょう
後から見直したとき、他の人から見たときにすぐわかるようにしておくのがベストです。
トラブル防止の為に裏書きの習慣を!
領収書の場合、「お品代として」という但し書きの場合、忘れないように、経理担当者がわかるように、裏面に「応接室のカーテン代」のように詳細を書くことで後々起こるトラブルを防止できます。これはやってください。
レシートの場合でも、交際費や会議費は誰と何のためなのかを記載しましょう。
レシートや領収書を紙媒体で残す場合は裏にメモでOKです。
電子データで残す場合は、表側に記載するか、備考欄に記載します。
レシートは劣化し易いから長期間保存は難しいからこそ…
フリーランスの場合、証憑の保存期間は7年(法人の場合は7年間、青色申告書を提出した事業年度に欠損金がある場合等は10年間)の保存義務があります。
レシートの困った点として、日があたったり、湿気や水がかかったり、熱を受けたりすると文字が消えてしまうケースがあります。「透明なクリアファイルに入れておいたらいつの間にか白紙っぽくなってた!」という声も聞きます。ちなみに、消えてしまった場合、領収書としては原則無効になります。(クレジットカードの明細など他にあれば有効)
レシートの保存は直射日光が当たらない、涼しくて湿度も高くない…人も心地よさそうな場所に保存しましょう。
保存が面倒ならクラウド会計を使うのも一つの手段
う~ん…そんな場所、せっかくならもっと大事な物置きたいよ…
そんな方もいるかと思います。その場合は、freeeやMFなどのクラウド会計を利用して電子データとして保存するのもオススメです。
電子帳簿保存法の改正があり、紙媒体も電子データとして保管も認められる様になりました。要件は色々あるのですが、クラウド会計を使っていたら基本的な要件はクリアできます。
一方で、ユーザー側が気をつけないと行けないのは、入力期間に制限があり、最長2ヶ月+7日間の間に入力しないといけません。「忙しいから後回しで!」となりがちですが、クラウド会計側もそうならないように創意工夫をしていますよ!ぜひこちらも御覧ください!
【まとめ】色々面倒なので、わかりやすいレシートがオススメ!
小売業などの日々の出費はだいたいレシートで大丈夫!
税理士法人YFPクレアに勤めて10年になりますが、「領収書の場合は裏書きを!」と伝えてもやってもらえなかったり…お客様のほうでは「裏書きしないと送れないから後回しになっちゃった!!」ということもありました。
レシートでいい!むしろレシートがいい!と言うと、ホッとされる方も少なくありません。一方で、絶対領収書じゃないとダメ!という業種については、宛名も書かれた領収書を言わなくても出してくれるケースの方が多いと、生活の中で感じております。