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フリーランスと従業員、どっちが得か!?

フリーランスとサラリーマン、どっちが得か?

税理士法人YFPクレア、営業部の越尾です。

最近、SNSで「フリーランスになってよかったこと」という投稿やYouTube等の動画でもフリーランスを推すのが多いなーと感じています。中には「ん?ちょっと待ってぇええええ!」といいたくなるようなものもあるので、このままではろくでもない広告や動画の餌食にされてしまう人もでてきてしまう!ハッピーな人が増えるなら良いけど、いいとこ取りした情報だけを聞いて選択してしまって、不幸な人が増えてしまうのはちょっと違うよねぇ…
ということで、フリーランスと従業員、どっちのほうが得か!という議題について語りたいと思います。

こんな方に読んでほしい!

  • 今はサラリーマンだけど、フリーランスってどうなの?と迷っている方
  • 家族や大事な人に心配かけたくないけど、フリーランス
  • 家族や彼氏が「俺、独立するから!」といきなり言い出してびっくりしている女性

結論

  • フリーランスをしたいならサラリーマンをしながら副業を始めよう
  • 会社にバレない確定申告をしましょう
  • 売上が上がるのを確認して、独立できる自信を得てから独立を!

税金類で見るフリーランスとサラリーマン

先ほども述べたように「フリーランスはいいよ!」という投稿には大事なものが抜けています。それは「サラリーマンはいいよ!」という論点。

最初からフリーランスにしたほうがいいよ!という結論ありきの広告や動画…ご自身にとっては良かったのかもしれないけど、他の人にとっていいのかどうかは別。

弊社は税理士法人ですから、税理士事務所の末端としても、公正・公平にするべく、フリーランス・サラリーマンともに独立を考える年収どころである1000万円らへんの税金関係の負担額等々を比較するところから始めてみます。

どちらもこんな人です。

  • 独身で扶養親族なし
  • 介護保険なし(40歳未満)
  • 生命保険料控除、寄附金控除(ふるさと納税)なし
 フリーランスサラリーマン
収入売上1000万円額面1000万円
控除青色申告控除 65万円給与所得控除 195万円
経費認められる(仮:200万円)認められない
健康保険料86万円49.7万円
雇用保険入れない入れる 6万円
年金20万円71万円
所得税73万円83万円
住民税59万円64万円
手取り収入560万円724万円

スタートは同じ1,000万円であっても、手元に残る収入はフリーランスが560万円、サラリーマンの場合は724万円という160万円も差が出る結果になりました。

「なんか意外だな~」って思いましたか?それとも予想通りの結果ですか?

大きく分けたのは、社会保険料と給与所得控除

見比べていただければわかるのですが、大きく分けたのは社会保険料の負担額がフリーランスには大きいということと、サラリーマンにとって給与所得控除がどれほどメリットがあるか…ということです。

それぞれ簡単に解説します。

国民健康保険と被用者保険の違い

日本は国民皆保険制度であり、全ての人が健康保険に加入することになります。
健康保険には大きく3つあります

  • 国民健康保険
  • 被用者保険
  • 後期高齢者医療制度

それぞれ加入できる条件が異なっているので、解説します。

国民健康保険とは

国民健康保険は、75歳未満の全ての人に加入する義務があります。
ただし、会社の健康保険や公務員の共済制度等に加入している人、生活保護を受けている人は除きます。

自営業、フリーランス、無職で扶養に入っていない人、長期在留の外国人などが加入します。

保険料は、住民票単位で、加入する人数、年齢、前年の所得金額に応じて計算されます。

被用者保険

被用者保険は会社員や公務員が加入できる「健保組合」や「協会けんぽ」「共済組合」などが当てはまります。
保険料は4~6月の給与の平均を元に計算し、半分は会社が負担をします。
扶養家族の人数によって保険料が変わらないのも特徴です。

後期高齢者医療制度

原則75歳以上が加入します。保険料は年金から差し引かれます。
負担額は所得に応じて1割~3割負担になっています。

フリーランスと従業員の健康保険で差が出る理由まとめ

フリーランスの健康保険「国民健康保険」

  • 従業員と比較すると同じ収入でも高い
  • 家族がいると、人数分の負担がある(子供も含まれる)

サラリーマンの健康保険「被用者保険」

  • 会社と折半のため、自己負担額は軽くなる
  • 家族など扶養の人数分の負担がない

もし、フリーランスに扶養親族がいて国民健康保険に加入する場合は人数分の負担が増えるので、子供などがいる場合は要注意!

サラリーマンの給与所得控除

サラリーマンの税金で一番のメリットが大きいのが給与所得控除でしょう。

フリーランスや自営業ならば、仕事のための支出は経費に出来ますが、サラリーマンの場合は経費として会社には請求できない物も多いです。

例えば、本。仕事に関する専門知識を深めるため、新しい技術を手に入れるため、初心にかえるため…本から吸収することも多いと思います。そういったものはフリーランスでは全額経費にできますが、サラリーマンはそんなことは難しいでしょう。その他、文房具や仕事で使う道具は経費にすることは出来ません。
そのため、給与所得の場合は、必要経費相当額を給与から使ったことにして税金を軽くしてあげましょう!というのが、給与所得控除です。

給与所得控除額は収入金額に応じて変化しますが、上限は195万円(年収850万円超)です。

サラリーマンの給与所得控除は、仕事のために1円も使っていなかったとしても、勝手に控除されて税金が軽くなり、手元に残る金額が大きくなります。フリーランスの場合、給与所得控除はなく、代わりに経費として、実際にお金を使って、手元からお金が無くなった金額だけを控除することになるので、同じ収入であったとしても、手元に残る金額はフリーランスよりもサラリーマンのほうが高くなります。

その他の影響【雇用保険】

フリーランスとサラリーマンで比較した際に、必ず触れられるのが、社会保険と給与所得控除ですが、私は実は雇用保険も知ると大きいと感じます。

雇用保険は従業員にしか入れない保険で、失業してしまったときに失業手当とか出るものです。ですが、用途としてはこれだけではなく、従業員が安定した生活を送れるようにするために他にも出番があります。

私自身、2度ほど「雇用保険あってよかったなぁ」と痛感したことがあります。

一つは、出産時。育休を1年間とりましたが、出生時育児休業給付金、育児休業給付金などの育休中、子育てに専念している最中も給与の5~7割程度、支給されます。子供を生むと女性は、身体はボロボロ、ホルモンも乱高下してメンタルも通常時とは全く違う性格にさえなりうるのが出産後の怖いところ…。出産後の8割の女性が産後鬱経験というデータもあります。
正直、保育園などでいろんな親子を見ましたが、0~1歳のときは、親の頑張りというよりは、子どもの性格と体質の影響が大きい気がします。そんな中、育休手当(出生時育児休業給付金、育児休業給付金)はあってよかったなーと感じました。

なお、今現在、働き方の多様性により、育休中のフリーランスや自営業者にも給付金が必要ではないか?と、議論がなされています。決定しましたらお知らせできればと思います。

もう一つは、ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)です。
少し余談になりますが、当時の私は営業職のノルマノルマノルマ…とノルマを追い続ける日常に疲れ、次は平穏そうだと思って事務職を志し、求職者支援訓練を受けました。内容は経理事務。簿記3級を取りましたが、結果的に、「経理事務どころか事務に向かないことに気づきました」と教育訓練をしてくれた先生に言い出す始末(笑)

先生は優しく「やっとわかったか(笑)」と言ったあと「ノルマに疲れたなら、ノルマがない営業を探したら?」と言われて、見つけたのが税理士法人YFPクレアの求人。

私にとって、ハロートレーニングは私の人生の一つのターニングポイントだった…と感じています。ただ、スキルを身につけるだけでのスクールではなく、内面と向きあい、ノルマの呪縛の気づきを与えてくれた先生がいてくれたその一言が人生を変えたなと…。

3ヶ月間、朝から夕方まで、無料できっちり勉強させてもらった上で、失業手当をすぐに払ってくれるし(自主退職なら数ヶ月後まで失業手当はでない)、ノルマの呪縛からゆっくり解放する気持ちの余裕を与えてくれた雇用保険には感謝しております。

サラリーマンを辞めたい一心でフリーランスになろう…と思ってる人はまずはご自宅付近のハローワークに行って、どんな訓練があるのか、見てみるのもいいですよ。一旦離職する必要はあるので、不安はあるかと思いますが、失業手当も入るし、仕事から離れてリスキリングをする時間を持つのも悪くないです。新卒のときとは違う、自己分析ができるかと思います。

ココまでで分かって頂けたかと思いますが、サラリーマンは、給与所得控除で、仕事のために使ってなくても仕事のために使ったものとみなして税金を減らし、健康保険では会社が半分負担。さらに失業や育業では、会社に貢献していなくても給付金を貰える…というすごく守られた立場と言えます。

それでもフリーランスになりたい!
税金だけじゃない!フリーランスの魅力

税金面のことはわかった!けれど、フリーランスの魅力って、働き方次第では収入を増やせるし、良いことある!
それに、会社では出来ないようなサービスを展開してみたい!
朝に仕事をし、昼間は自分の時間、夕方からもう一度仕事…等好きな時間の使い方をしたい!など、フリーランスにはサラリーマンにはない魅力があると思います。

何より、「いつかは独立したい!」という希望があったら、最初はフリーランスを通過する人も多いはず。ここからは、フリーランスに安心して挑戦できる方法について述べます。

まず、サラリーマンを続けながら
フリーランスを始めるのはどうでしょう?

そんな人におすすめしたいのが、まずは、サラリーマンを続けながら、フリーランスに片足突っ込む…という方法。

その理由としては・・・

  • 案件獲得が安定して得られるかどうかを試せる
  • 社会的信用が落ちない
  • 収入が安定したまま挑戦ができる

一方でこんなことが起こります。

  • サラリーマンの仕事が終わった後も仕事をするので1日中仕事をすることになる
  • 確定申告をしないといけない
  • 確定申告で注意しないと会社に副業をしていることがバレて面倒なことが起こる可能性がある

ここからは更に掘り下げて、お話します。

会社に就業規則に副業禁止規定がある場合は、個人事業主が禁止される副業に当たるのか確認するのも一つの方法です。就業規則で禁止されている副業は「従業員として他の企業で働くこと」を指しているケースが多いです。

従業員とフリーランスの兼業だからわかる!案件を得る難しさ

こんなことを書いている私ですが、私自身、税理士法人YFPクレアに勤めながら、自宅ではせっせと自分のブログを書いたり、友人知人から依頼されてホームページを有償で作ったりしています。もちろん、会社には申告済み。毎年確定申告もしています。

だから分かりますが、案件を得るのは難しいです。

クラウドワークス、ランサーズといった国内のフリーランサー向けのクラウドソーシングはもちろん、アップワークなど海外のクラウドソーシングまで足を伸ばして仕事を得ていますが、本当に大変。5つ星のベテラン勢が既に構えていて圧倒的な口コミによる安心感を与えています。もちろん、価格競争もあります。

まずは市場調査をして、やってみて、それでどう感じるか…をやってみると感覚がつかめると思います。

社会的信用が落ちない

フリーランスは社会的信用が弱いから住宅ローンや車のローンやクレジットカードの審査が通らなかった…という事例は多々あります。弊社にも相談されることがあります。これから家や車等を買いたいと思っている人はサラリーマンの方が有利ではあります。
マイホームやマイカーを買いたい!と思っている方は家族とよく話し合って、タイミングやローンの組み方などを入念に考える必要があります。

確定申告が必要

本業以外の所得を得たら確定申告を行う必要があります。
確定申告では、副業分だけではなく、本業でもらった源泉徴収票も使用します。
給与所得、給与所得控除、社会保険料等が源泉徴収票に書かれているのでそれを入力します。
期間は2/16~3/15の1ヶ月間です。税務署に行く必要や税理士も必須ではなく、マイナンバーを使って、オンラインでも確定申告はできるのでしっかり準備しておきましょう。
初めての確定申告で多いミスとして、ふるさと納税でワンストップ特例を利用していた場合でも、確定申告をするならワンストップ特例は使えなくなって、確定申告で寄付金控除の部分でふるさと納税をしないといけなくなります。(ここで入力しないとふるさと納税した分の控除を受けられなくなります)

会社バレはしたくない!!

これはよくある質問ですが、フリーランスとして活動していることを会社にバレたくない!という方。

フリーランスで副業をしていてバレるのは、住民税が会社で把握しているより多いor少ない で判断されます。回避方法としては、確定申告時に、副業分の住民税は普通徴収を選ぶことでバレるリスクは減らすことができます。

また、意外と副業がバレてしまうのはSNSへの書き込み、ちょっとした雑談、社用パソコンやスマホを副業に利用…などが上げられます。

個人事業主は労働基準法の適用外

労働基準法をご存知でしょうか?労働基準法は労働条件の最低限の基準を定めたもの。賃金の支払方法や労働時間の原則や時間外労働などに関する法律です。労働基準法では、週40時間までと決められています。しかし、フリーランスは個人事業主であり、労働基準法の適用外です。そのため、フリーランスは労働時間に縛りはありません。
しかし、フリーランスも人間。過労死ラインの目安は知っておきましょう。時間外労働が100時間/月を超えるまたは80時間/月を2~6ヶ月間続いている…というものです。一般的に6ヶ月を平均して45時間を超える時間外労働が行われた場合、健康障害が強まる…と言われておりサラリーマン兼フリーランスはその点がハード。
時間外労働100時間をイメージしやすいようにすると、8時間働いてきた後に、平日2時間、休日6時間を土日休みなく働くと過労死ラインです。実際、働きすぎて身体を壊すフリーランスもいます。(そして、それをサポートする保障はない…)

もちろん、本業に支障をきたしてはいけませんから、フリーランスとして活動しつつ、これでやっていける!と自信が出たら、フリーランス1本に絞る方が健康上にも本業との関係性的にもいいでしょう。

身体は資本です!大切に!!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

私自身が会社員兼フリーランスなので、その経験を元に書かせて頂きました。
また、税理士事務所の職員としても、色々な理由でフリーランスになる方を見てきました。うまく行っているのは夢だった仕事をしてる方だと感じています。夢だった漫画家、小説家…などが多いですね。とても素敵なことだと思います。

ぜひ、どうなりたいかを考えながらお幸せになっていただける道を考えていただければと思います。

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