決算を税理士に依頼する際、
「ちゃんと対応してもらえるだろうか」
「何を準備すればいいのか分からない」
「あとからトラブルにならないか不安」
と感じる経営者の方は少なくありません。
決算は年に一度の重要な業務であり、やり直しがききにくい分、最初の依頼の仕方が結果を大きく左右します。
本記事では、決算書作成から税務申告までを税理士に依頼する際に、失敗しないための実践的なポイントを解説します。
決算業務を税理士に依頼すると、どこまでやってもらえる?
まず押さえておきたいのは、「決算を依頼する」と言っても、税理士が対応する範囲は事務所や契約内容によって異なるという点です。
一般的には、次のような業務が含まれます。
- 決算整理仕訳の作成
- 決算書(貸借対照表・損益計算書など)の作成
- 法人税・住民税・事業税の申告書作成
- 電子申告・提出手続き
一方で、
- 日々の記帳
- 領収書や請求書の整理
- 消費税申告
- 税務署からの問い合わせ対応
などは、別途契約やオプション扱いになるケースもあります。
特に近年は、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が必須となり、決算作業の手間が増えています。これらの制度に対応しているかどうかも、業務範囲の確認ポイントになります。
「どこまで含まれているのか」「何をやってくれるのか」を最初に確認することが、失敗を防ぐ第一歩です。
依頼前にやっておくべき準備事項
税理士に決算を依頼する前に、最低限整理しておきたいポイントがあります。
ここを押さえておくだけで、やり取りがスムーズになり、結果的にミスや追加費用を防げます。
決算期と申告期限を把握しておく
法人の決算申告は、決算日から2か月以内が原則です。
「まだ時間がある」と思っていても、資料が揃わなければ作業は進みません。
決算期・申告期限・希望するスケジュール感は、早めに共有しておきましょう。
会計データや資料の有無を整理する
- 会計ソフトを使っているか
- 記帳はどこまでできているか
- 領収書・請求書は揃っているか
これらを事前に整理して伝えることで、
税理士側も作業量を把握しやすくなり、見積もりや進め方が明確になります。
税理士との契約内容で必ず確認したいポイント
「依頼したつもりだったのに、そこは対象外だった」
といったトラブルは、契約内容の確認不足から起こりがちです。
特に次の点は、事前にしっかり確認しておきましょう。
業務範囲と追加料金の有無
- 決算書作成と申告は含まれているか
- 消費税申告は別料金か
- 修正申告や税務署対応はどうなるか
消費税申告は、簡易課税か本則課税かによって作業量が大きく変わるため、多くの事務所で別料金となっています。
また、税務署からの問い合わせ対応は、顧問契約では含まれることが多い一方、単発の決算依頼では別料金となるケースが一般的です。
見積書や契約書に明記されているかを確認し、不明点はその場で質問することが大切です。
担当者と連絡体制
決算は税務判断が多く、担当者の経験値によって処理の正確性やスピードが大きく変わります。担当者のスキルやチェック体制も確認ポイントです。
事前に面談等があるなら、それとなく聞いておくことをおすすめしたいのがこちら。
・主担当になるだろう人について
・主な連絡手段(メール・電話・チャットなど)
・質問した場合のレスポンス目安(がルール化されているか)
決算時期はやり取りが集中します。
相談しやすさや対応スピードも、失敗しないための重要な判断材料です。
スムーズに進めるための資料提供のコツ
決算作業が滞る原因の多くは、「資料が足りない」「後出しになる」ことです。
スムーズに進めるためには、
- 指示された資料はまとめて提出する
- 分からないものは無理に自己判断せず質問する
- 追加資料の依頼にはできるだけ早く対応する
といった姿勢が重要です。
資料は可能な限りPDFやエクセルといったデータで提出すると、処理が早く正確になります。紙資料しかない場合は、まとめてスキャンして渡すとスムーズです。
税理士は資料が揃って初めて判断・処理ができます。
情報共有のスピードが、決算全体の質と安心感を左右すると考えておきましょう。
「失敗した」と感じやすいケースとは?
決算依頼で後悔しやすいのは、次のようなケースです。
- 安さだけで選び、対応範囲を確認していなかった
- 決算直前に依頼し、十分な相談ができなかった
- コミュニケーションが取りづらく、不安が解消されなかった
- 会計データが未整理のまま依頼し、記帳や修正作業が大量に発生して追加費用になった。
これらは、事前の確認と準備で十分に防げるものばかりです。
まとめ:決算依頼は「準備」と「確認」で失敗を防げる
決算を税理士に依頼すること自体は、決して難しいことではありません。
ただし、
- 依頼前の準備
- 契約内容の確認
- 税理士との情報共有
この3点を意識するだけで、失敗や後悔のリスクは大きく下げられます。
「この進め方で合っているのか不安」
「どこまでお願いするのが適切か分からない」
そう感じたら、まずは決算の進め方そのものを相談してみるのも一つの方法です。
プロの視点で整理してもらうことで、安心して決算に臨めます。



