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【会社規模・取得価額別】パソコンは経費になる?処理方法と固定資産税

パソコン購入時の会計処理と固定資産税

こんにちは。フルクラウド担当 越尾です。

実は、私の夫はエンジニア20年選手のベテランです。そんな夫はパソコンを買い替えたくて仕方ないらしい。夫は会社員かつフリーランスで両方ともエンジニアとして働いているので、「仕事で使うんだから、経費になるよね!?」と聞いてきたけど・・・

越尾「え?それはならんよ!」
夫氏「なんで?仕事でつかうのに?」

はい!では、そんな夫にも分かるように書きたいと思います。

パソコンを買ったときの取得価額を出そう!

まず、会計処理を正しくするためには取得価額を正しく判断しないといけません。

パソコンって色んな部位で出来てますよね?
それぞれのパーツごとに会計処理をするのか、全部まとめるか…ですが、パソコンのパーツ一つで仕事ができる訳では無いので、全部まとめた価格が取得価額になります。

【取得価額別】取得価額の金額の処理方法

10万円未満:経費 勘定科目は「消耗品」

取得価格10万円未満のパソコンは「消耗品」として会計処理します。
全額その年の費用となります。

まさかのパソコンがボールペンとかと同じ会計処理です

10~20万円未満:一括償却資産として均等償却か少額減価償却資産の特例

取得価格10万円以上だと固定資産になります。

固定資産とは、土地・家屋、無形減価償却資産(ソフトウエア)、事業用資産が当てはまります。
固定資産の会計処理は減価償却をしていくことになります。

減価償却は下記3つの中から選べます。

  • 通常の耐用年数によって減価償却
  • 一括償却資産として3年で一括償却(条件あり)
  • 少額減価償却資産の特例の適用を受けて、全額を購入した年の費用として計上
    (※青色申告をしている中小企業等。年300万円まで)

20~30万円未満:少額減価償却資産の特例

減価償却が必要、下記3つから選べます。

  • 通常の耐用年数によって減価償却
  • 少額減価償却資産の特例の適用を受けて、全額を購入した年の費用として計上
    (※青色申告をしている中小企業等。年300万円まで)

どちらでも、課税標準額の合計が150万円以上になると固定資産税の支払が必要です。

30万円以上:通常の耐用年数によって減価償却

通常の耐用年数で減価償却を行うことになります。

パソコンの耐用年数は?

耐用年数は国税庁によって定められています。
パソコンは4年サーバー用のパソコンは5年です。

通常の減価償却には定額法と定率法がある

定額法定率法
利用するケース個人事業主(建物、建物附属設備、構築物、ソフトウェアは個人事業主・法人を問わず常に定額法)法人(建物、建物附属設備、構築物、ソフトウェアを除く)定率法を利用するための届出書を税務署へ提出した個人事業 主機械設備、車両運搬具、工具器具備品については法人も届け出れば定額法で計算することが可能
特徴毎年同額を償却する当初の償却額は定額法よりも多い
計算方法取得価額×定額法の償却率未償却残高×定率法の償却率

建物、建物附属設備、構築物、ソフトウェアに関しては常に定額法です。

少額減価償却資産の特例についても知ろう!

少額減価償却資産の特例は、取得価格30万円未満の償却資産を、一括で経費に計上できる制度です。いくつか注意点があるので箇条書きにして整理しましょう

  • 取得価格が30万円未満の償却資産のみに使える
  • 上限は300万円/年
  • 少額減価償却資産の特例は期間限定(令和8年3月31日までの購入に限る)の制度
  • 中小企業で青色申告法人と青色申告の個人
  • 常時使用する従業員 300人以下

期間限定なので要注意!

実際の仕訳を見てみよう!

ではここからは実際の仕訳について解説します!
お値段別で行きます。

10万円未満の場合

9万円のパソコンを購入した場合

消耗品90,000現金90,000

10~20万円未満の場合:一括償却資産として3年で一括償却

仮に15万円のパソコンを購入した時の会計処理

一括償却資産150,000現金150,000

期末、決算処理で一括償却資産を減価償却費に計上

減価償却費50,000一括償却資産50,000
  • パソコンの耐用年数は4年だけど、一括償却資産なら3年間で償却OK!
  • 期中いつ買っても、1年分の減価償却費が計上OK!
  • しかも、固定資産税の対象外!
  • 途中で捨てても売っても考慮しない

通常の減価償却(定額法)

40万円のパソコンを現金で購入したとき

工具器具備品400,000現金400,000

【期首に購入した場合】決算時

40万円×0.25(4年間の定額法償却率)=10万円

減価償却費100,000工具器具備品100,000

【期中に購入した場合】決算時

仮に6ヶ月目に購入した場合
40万円×0.25×6ヶ月÷12月=5万円

減価償却費50,000工具器具備品50,000

ケーススタディ!
ここで、リアルに欲しい…パソコンの減価償却をしよう!

では、ここで、エンジニアの夫が欲しいパソコンを使ってみましょう!

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まずは取得価額を確認する

エンジニア夫がほしいPC 658,800円(税込)

14インチMacBook Proをカスタマイズ – スペースブラック
 14コアCPU、30コアGPU、16コアNeural Engine搭載Apple M3 Maxチップ
 96GBユニファイドメモリ
 1TB SSDストレージ
 14インチLiquid Retina XDRディスプレイ2
 96W USB-C電源アダプタ
 Thunderbolt 4ポート x 3、HDMIポート、SDXCカードスロット、ヘッドフォンジャック、MagSafe 3ポート
 Touch ID搭載バックライトMagic Keyboard – 英語(US)

これら全部使って仕事をすることになるので、PC1台で658,800円(税込)
消費税は減価償却の対象外なので消費税除くと598,910円(税抜)
ちょっと計算しにくいので、ここでは60万円(税抜)として計算します
サーバー用ではないので耐用年数は4年

STEP
1

定額法or定率法で計算する

先にも述べた通り、個人事業主ならば、届出を出してなければ定額法、法人なら定率法で計算することになります。

期中に買った場合は、月割をして会計ソフトに記入しましょう。

定額法

取得価格×定額法の償却率=60万円×0.25=15万円

これが1年間分の減価償却費になります。

定率法

1年目の償却額:未償却残高×定率法の償却率=60万円×0.50=30万円
2年目の償却額:(60万円-30万円)×0.50=15万円
3年目の償却額:(60万円-30万円-15万円)×0.667=10万円
4年目の償却額:(60万円-30万円-15万円-10万)-1=49,999円

これが1年間分の減価償却費になります。

STEP
2


固定資産税も要注意!

これでちゃんと記帳できる!のですが、注意点としては固定資産税の存在です。

パソコンなどの償却資産を購入すると固定資産税がかかるかも知れません。
購入前に確認しましょう。

合計150万円以上だと、固定資産税がかかるようになる

合計150万円を超えると固定資産税がかかるようになります。
仮に29万円のパソコンを5台購入した場合、合計145万円。
150万円未満なので固定資産税はかかりません。

30万円未満の少額減価償却資産の特例を使うと固定資産税がかかる

30万円未満の即時償却をした場合、固定資産税がかかります。

【まとめ】パソコン購入時の会計処理と固定資産税

費用で処理一括償却資産少額減価
償却資産
一般的な
固定資産
パソコンの金額10万円未満10万円以上
20万円未満
10万円以上
30万円未満
10万円以上
処理の方法全額費用処理3年で一括償却取得年度に
全額償却
耐用年数で償却
勘定科目の例消耗品代、
事務用品代
一括償却資産備品、器具備品など備品、器具備品など
青色申告書不問不問必要不問
適用法人法人法人中小企業者等のみ法人
固定資産税
(償却資産税)
対象外対象外課税課税

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