皆さん、唐突ですが、企業防衛していますか?
税理士に節税で保険を勧められたんだけど、気が進まないなぁ…そんな気分の方に読んでもらいたいです。
目次
とある高校生と自営業のお父さんの話
自営業のお父さんは元気に働いているものの、最近つかれやすい…と思いつつ、なんか変だな…と思いつつ、元から病院が嫌いでなかなか行かなかったのですが、だるさが尋常ではない…と感じて病院に行きます。
余命3ヶ月・・・
既にもう手の付くしようがない状況になってしまっていました。
それからはバッタバタ。自営業の方をたたみ、既に手掛けていた仕事は他の人に託したりお断りを入れたり。
でも、3ヶ月足らずでお父さんは亡くなりました。
その後、家族は大変な自体に陥ります。
まず、母親はショックのあまり何も出来ない鬱状態に。
高校生一人で全てやらねばならくなります。
まず葬儀をしないと…そこで最大のピンチに気づきます。
思ってたよりお金がなかった!!
銀行には30万円しかない。
自営業がうまくいってるときは現金で車を買い替え、従業員も何人も雇っていたし、それこそ余命宣告まではいたのに…
自営業の内容は「建設業」
当時は民主党政権下。
そう・・・公共工事が一斉に止まったため、仕事が激減していたタイミングだったのです。
お金がない。だけど、父親の葬儀はしてあげたい。
たくさんの人に慕われて、いっぱい愛してくれたお父さんをきちんと見送りたい。
だけどお金がない。
高校生はなんとかするべく、高校の友だちの家を周り、お金を貸してもらえないか頼みに行きます。
何軒も断られ、断られ続けましたが、ある友達の家に行くとお父さんがいて、泣きながら事情を説明するとなんと100万円も貸してくれたそうです。
絶対返す!!と約束をし、そのお金で葬儀を上げます。
ですが、その葬式では親戚から「貸した25万円を返して」と言われ、銀行に残ってたお金はついに5万円。家賃も払えなくなってしまいました。
それだけではありません。事業のための借金もありました。
保険も支払いができずに止まっていたから…と保険金も下りず、せめて母親の年金か遺族年金は?と思ったら「国民年金の受給資格が得られる10年以上の納付」がされてこなかったために、母親の年金も遺族年金もない。
命以外、家も、お金もない…
これが高校生にとって、どれほど絶望だったでしょうか…
そんな絶望の中、借金は家族分まで、相続放棄の手続きを高校生が行います。
せめて高校卒業するまで…その間だけでいい。生活保護の申請をしますが通らず、母親と高校生は親戚の家に居候をし、肩身の狭い思いをします。高校卒業後は大学進学を諦めて働きます。お父さんの影響で建築を学びたかったけど夢は諦め、友達のお父さんに返済するために、母親と自分の生活をするために、ひたすら働く道を選びます。
就職したのはIT系の企業。
中学生の頃、お父さんの事業が好調だった頃、パソコンをプレゼントしてもらって遊び半分で勉強していたプログラミングがとても好きで、それで選んだと言います。
しかし、高校をでたばかりの高校生の給料はよくありません。居候させてもらった親戚にも増えていく借金…築50年以上で外気温と変わらない夏は暑く冬は極寒のボロアパートで、あまりに貧しくて、2人で「もうムリだ…」と何度もお父さんのあとを追おうと話したそうです。
でも、友達のお父さんに「絶対返す」と約束した100万円があります。
これを返すまでは逝けない逝っていいわけがない…と社会人になった高校生は仕事しつつ、夜は勉強し返済し終わる頃には、もう自信あふれる立派なエンジニアになっているのでした。
今は就職したIT系の企業でどんどん昇進。
部下も10人以上をかかえ、家族もでき、お父さんにもらった愛情を今では子どもに注ぐ毎日を過ごしていますのでご安心下さい。そして、エンジニアとして成功するきっかけにもなったパソコンを子どもにもプレゼントし、こういいました。
「パソコン1台あれば仕事を生み出せるからね!」
自営業のお父さんから学ぶ自営業者のための「もしも」対策
私はこの話を聴いたとき、プルプルしてしまいました。
もしも、弊社のお客様だったら…と思わずにいられなかったのです。そこでもしも…を検討しました。
税理士がいたなら、適切なアドバイスをしてくれてたなら
もし、税理士がいたなら、公共事業が縮小してしまった時点でもっといろんなアドバイスができたのではないでしょうか?
最初に思いついたのはこれですし、経営しているなら…しかも複数人雇っているくらいなら税理士がいると思ってたのですが、なんとつけてなかったそうです。
もし税理士がいたなら、年金の不払い、保険料の不払いなどももっと提案があったのではないでしょうか?他にも小規模企業共済に入って、掛け金はすべて所得控除ができるので、好調なタイミングでは税金を軽く出来て、退職時に受け取ることができました。
それ以外にも法人化していたら…とか色々考えてしまいます。
生命保険に加入しておけば…
同様に生命保険も加入し続けておくべきでした。
実はお父さん、加入していたのですが、事業が悪化した時点で支払いを辞めてしまっていました。
これももしアドバイスがあれば…と思う点ですが、保険は契約内容の変更で保険料の減額をしたり払済保険にしたり、場合によっては猶予や契約者可否sつけなどをすることも可能な場合もあります。
もちろん、保険の内容にもよります。
が、実は弊社規模でお客様がいると(1600社です)残念ながら、現役バリバリの40~50代の経営者様が突然お亡くなりになるケースは意外とあります。ご自身が退職するときの退職金的に受け取ったり、病気になったら受け取ったり…など色々出来ます。
もし、毎年健康診断を受けていたなら…
もし、個人事業主にも法人と同様に健康診断を義務付けられてたら…いや、もし健康診断を自発的に受けていたら…もしかしたら早期発見を出来ていたのかもしれない…と思ってしまったりもするんです。
これも法人化していたら…の部分ではありますが、法人化すると余計な費用は確かに係るのはありますが、これで救われる命だってあるということを忘れてはなりませんね。
個人事業主でも健康診断は受けられるので、ぜひ!!
もし、お母さんが経理業務をしていたら…
建設業のお客様と会うと、経理業務は奥さんがやってる…という例が多いです。やりくりをもっと積極的に出来てたら、亡くなったときにこんなにお金がない!とはならず「へそくり」が出来てたのではないでしょうか?
それだけでも結果は違ったのではないでしょうか?
実務も会計もお父さんが全部やってしまっていた…そのため、事業最優先で家族へのお金を残すことを忘れてしまっていたお父さんの代わりに、もしものときのための貯蓄をしていたかもしれません。
どちらにしても「自分でやる」はいいのですが、もしものときが死角に入ってしまっていたことは否めません。
まとめ
最後になりますが、税理士事務所の職員は大黒柱として頑張っていた経営者様が亡くなり、途方にくれる奥様やお子様に対して大したサポートはできません。
せいぜいが相続の相談くらい。
自分が亡くなったあとも愛する家族が幸せに暮らせるかどうかは経営者自身がどんな備えをしていたか・・・によります。
弊社はそれを積極的に推すタイプの税理士事務所です。大黒柱を失った家族がどんな思いをするか、見てきたからです。
自営業の方、フリーランスの方でご家族がいる場合は、必ず「もしも」のときのことを調べておくか、専門家をつけて相談をしましょうね!
この高校生のような思いをする家族が一人でも減りますように!!
最後にそう祈りながら、終わりに致します。